第3代足利将軍・足利義満(あしかが よしみつ)の事は幼児の時にアニメで観ていた「一休さん」の将軍さまのイメージで止まっていた気がします。将軍さまは金閣寺にいていつも笑っています・・。動乱の室町時代にあって足利義満の時代だけまろ将軍の元、幸せな時代のイメージ。
今回NHK歴史秘話ヒストリアで「黄金の室町時代 最新研究 足利義満」を見て初めて義満の実像を少し知った気がしました。
小さい頃に父・第2代足利将軍・足利義詮の時代に反乱があり危険ななか京都を出て、育ての父とも言える養育係の細川頼之とその妻に助けられて大きくなったんですね。そして若くして将軍になった義満ですが、足利将軍家の権威の絶対化を進めるために朝廷での官位を上げる努力をします。歴史学者・呉座勇一さんは「義満は武家政治、幕府政治の流れを作った人」とおっしゃっていました。
だけど公家で官位を上げるのに必要な武器が楽器の笙(しょう)というのはびっくりしました。笙は現代でも能や狂言に使われる雅な管楽器ですが、室町時代の朝廷では行事に使われて笙を吹けるということがとても重要な事だったんですね。足利義満は笙の力もあって25歳で公家の頂点と言える左大臣になります。ドラマでは息子の足利義持(あしかが よしもち)が笙がうまく吹けなくて苦労しているシーンがありましたが、父である義満が呆れ顔の中、ピ~・・と吹く義持が哀れで可哀相になりました(^_^;)
義満はそこで笙が上手な息子・足利 義嗣(あしかが よしつぐ)を還俗させて宮廷に上げますが、今回の歴史秘話ヒストリアでは出てきませんでしたが、この兄弟、父・義満が亡くなった後不和になっていますよね。。
・・歴史秘話ヒストリアはいつも美しく綺麗にまとめてきますが(そういうの好きですが)今回は義持&義嗣兄弟の事、義満と後小松天皇(一休さんのお父さん)の関係、倭寇の事、中国の明に朝貢(冊封)した事実など美しくまとめるにはちょっと疑問というか、もうちょっと深く知りたい事が多く出てきました。
個人的にももう少しこの時代を調べてみようと思います。またNHKの番組は同じテーマで何回かする事もあるので、足利義満関係の続編も期待しています。(そういえば、義満の敵として美濃源氏の土岐氏が出てきましたが、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀が土岐氏支流と言われていますね)
とはいえ一休さんの将軍さま足利義満が、太平の世を作って、強く、立派な将軍さまだったのがよくわかりました。敵である武家を倒し、北朝と南朝を南北朝合一させて、勘合貿易でお金を貯めて、金閣を建て、北山文化を開かせた。義満の時代が無ければ「南北朝の動乱」、「応仁の乱」で室町時代は暗黒だけだったろうし、現代の京都の観光の何割かは魅力が少なくなっていたでしょうね。久しぶりに金閣寺に行きたくなってきました☆
~「歴史秘話ヒストリア最新研究 足利義満」でした。ありがとうございました。
司会:井上あさひアナウンサー
解説者:呉座勇一さん
出演:亀田俊和さん