NHKスペシャル「大槌町・役場被災の真実」を視聴しました。大槌町は東日本大震災で庁舎が津波にのまれ、当時の町長を含む40人もの職員を亡くしました。役場が津波にのみ込まれるまでの詳しい状況を知り、悲しく辛い気持ちになりました。
震災時の大槌町役場について
岩手県大槌町。
東日本大震災では東北の沿岸で沢山の市町村が大きな被害を受けられました。大槌町役場では震災の時、そして35分後の津波がきた時まで職員たちはどんな行動をしていたのでしょうか?
NHKスペシャルでは震災時の大槌町役場の動きを調べて番組として見せてくれました。40人とは全職員の約2割にあたる人数。番組は生き残った職員たちにあの日何があったか長時間の取材をして、少しずつ真実に近づいていったようです。500枚もの資料を読み、30人以上の人々に取材して。すごく大変な事だったと思います。
特に生き残った人の気持は複雑でしょう、番組でもその苦悩を感じました。今でも生き残った人々は苦しんでいる。それでも番組に出てくれた人々はこの辛い過去を今後の教訓として記憶として残せる様に出演を決められたのでしょう、覚悟がいる行動だったとおもいます。
大槌町の役場に津波がきた時
大槌町に津波が来るまで35分ありました。35分といえば、ゆっくりした午後の時間、いつもの様子ならそんなに多い時間ではありません。でも気持ちの有り様によってはいくらでも行動出来る35分でした。実際、津波の事を考えて、すぐに近くにある海抜34メートルの高台の中央公民館まで逃げた課もありました。
NHKスペシャルを見ていると、逃げて・・というじりじりする気持ちが湧き上がって辛かったです。当時の職員さんたちは町の行政の中心である役場にいて町の人々を守るという気持ちが強かったようですが、自分たちの安全を考える事は希薄だったようです。
逃げて・・というのは簡単ですが、当時の写真を見ていると一生懸命、スマホやネットで情報を集めようとしている職員さんが何人もいて、「まず情報」という気持がわかる自分がいました。結局この35分、気持ちでは色々な事を考えながら、何も行動に移せなかった人が沢山いたようです。ただただ高台に避難してから色んな事を考えて欲しかった・・。
津波がきた時の映像が残っていて、とても辛い気持ちになりました。
大槌町の教訓と復興と町長について
大槌町のNHKスペシャルを見て
・正常性バイアス
という言葉を思い出しました。
「人はなぜ逃げ遅れるのか 災害の心理学」
災害にあった時に身を守る行動をすぐ出来る人は驚くほど少ないそうです。いつもの状況に慣れて、鈍感になっていると、予期出来ない地震や洪水、火災などの事態に対処できなくなると言うことです。
最悪の事を頭の隅っこに置いて日々行動する事が大事じゃないかと思いました。大槌町の町役場で起こった事を教訓として、今後、多くの人が最悪の事を考えて行動をすれば今後起こる天災に今までとは違う備えが出来るのではと考えました。
復興について
番組に出てきた大槌町の風景を見ると、大槌町の復興にはまだまだ時間がかかりそうですね。
番組に出演していた震災の時に津波にのみ込まれながら生き残った新人さんは今は30歳ぐらいでしょうか。震災の記憶にさいなまれてこられたという・・。8年間ずっと復興に頑張っていられて。時々は自分の心を大事にして、ゆっくりした気持ちで休んで欲しいと思いました。三陸鉄道リアス線として電車も再開したし、私も三陸に旅に行きたいと思います。
現在の大槌町長について
番組では現在の大槌町長の平野公三さんが静岡の富士市に講演にいっておられる様子が映っていました。現町長で当時は総務課の主幹で防災担当・実務責任者という事で何かと批判を受ける立場におられると思いますが、当時の幹部職員の殆どが震災で亡くなったり、定年を迎えられている中、責任感で頑張っていらっしゃるのでしょうか。お体に気をつけて復興に力を貸してあげて下さい。
「我々の失敗は災害を自分ごととして学んでこなかったこと」といわれていたのが印象的でした。
「NHKスペシャル、40人の・・大槌町・役場被災の真実」でした。
大槌町の役場被災はつらい現実でしたが、今後の市町村防災への教訓として、また大槌町の復興を願う気持ちを込めてこのページを書かせて頂きました。ありがとうございました。