今回の美の壺は「春を待つ香り」ということで、ふとした瞬間に漂う「春の香り」の世界へ私達を案内してくれました。春の香りといっても古今東西、色んなものがありますね。草刈正雄さんは庭で不思議な女の子と出会います。
春を待つ香り。 美の壺
美の壺、春を待つ香り。「ブーケ」の冒頭ではパリの花屋の軒下でしきりに春の花を嗅いでいるフラワーアーティストのシリルさんがいました。沢山のお花の映像とブーケという響きだけで画面からお花のいい匂いがしてきそう。ブーケってお花を美しくまとめるだけと思っていましたが、シリルさんはお花をまとめるだけじゃなく、春の花の匂いもまとめる・・調合しているイメージでブーケを作られていました。新しい美の壺を教えてもらった気がしました。
それから春の香りの話は香水に変わり、番組では素敵な香水瓶をいろいろ見せてくれました。フランスで春を告げる花として有名なスズランの形のラリックの香水瓶。スズランって実際の花はあまり見たことないけど、香水としてスズランの匂いは記憶しています。匂いで記憶をしているって素敵なことだなと美の壺を見ながら思いました。
私は昔、香水に関係ある仕事をしていました。つけて匂うまでの時間が短いものからトップノート、ミドルノート、ラストノートと言われ、その調香を考えるのが調香師さんの仕事となります。フランスではもしかしたら香水も最初に見たブーケの花も匂い方を魅せるということで、同じイメージなのかな?とまた新しい美を教えてもらった気がしました。アロマフレグランスでは様々な春のお花の他に新芽や葉の匂いも表現されていましたね。
日本では春の香りは? 美の壺
美の壺。京都では春を待つ香りは、香木をきいて感じています。日本でもフランスでも香りの文化が開いたのは貴族文化というのは同じですね。日本の文化はヨーロッパに比べほのかに香るとか花も一点とか風流を愛している感じがあります。本物の花を使わなくても、香木の小片で春を感じる。紐の結び方で梅の花を表現する。日本の春の香りの感じかたも情緒があり美しかったです。せっかく関西に住んでいるので香木の香りや香道を調べに京都に行こうと思いました。
そして盆栽。盆栽って春の香りするかな?と最初は思いましたが、花が咲く盆栽もあるんですね。小さな庭を感じるところとか春の花や木々を愛する気持ちは最初に出てきたパリのブーケと同じですね。
最後は大分・竹田市で姫だるまを作っているご家族の早春の楽しみの話、ご家族で山に入って、ふきのとうを取られていました。ふきのとうはふきの花の蕾だったんですね。ふきのとうの青い匂いが春の匂いに感じられるという、そしてふきのとうを細かく切って香りを感じながらふき味噌を作られていました。最後は美味しい、食欲がでる春の香りでした。
草刈正雄さんはスズランの妖精とおはなししていたみたいですね。私も春の香りを映像から楽しみました。 NHKオンデマンドを楽しむ「美の壺では春を待つ香りを色々教えてくれました」でした。ありがとうございました。
美の壺 「春を待つ香り」
NHK 2020年3月13日放送
出演は草刈正雄さん 、シリル・ルヌーさん 、
井崎真奈美さん 、負野和夫さん 、成松幸恵さん